現在、ネットニュースを中心に”中古車販売業界の雄”と言われる、「ビックモーター」の不正事業の衝撃動画が話題になっている。動画では「写真の写りは考えないとですね」といい、工場長らしき人が保険会社の審査を通すために提出する写真をどう撮ればいいかを丁寧に説明して、タイヤをパンクさせるという衝撃映像だった。
中古車販売業界の雄 ビックモーター
『ビッグモーター』は
販売から買取・車検・修理・板金塗装・損害保険・リースなど
自動車に関することを全て自社で100%対応する
「ワンストップショッピング型」の店舗を
西日本を中心に全国に約260店舗を展開し
従業員数およそ6000人
年商は7000億円を超える”中古車販売会社の雄”
と呼ばれている
ホームページをのぞくと
「相場より高額での買取多数」
「中古買取台数6年連続No.1」
など買取実例など記載していて
CMキャラクターとして出演している
大人気俳優”佐藤隆太”さんも
ホームページに姿を現している
タイヤに穴をあける
今回、問題になっている「穴あけ動画」を
提供したのは渦中の熊本浜線店に
2019年から約2年間勤務し
整備部門の責任者など要職を任されていた人物で
動画が撮影されたのは2021年6月ごろ
「仕事を覚えるため」と偽り
撮影したもののようだ
動画に映ってパンクさせている人物は
当時の工場長を務めていた男性のようだ
わずか40秒ほどの動画の中では
保険会社にタイヤのパンクを自然に見せるため
作業をしながら指示が細かくされていて
作業に対する慣れを感じさせていた
動画内で工場長は、タイヤにネジを締めながら

「こっから撮ったら(擦り減ったタイヤでも、保険対象内の摩耗していないように)溝があるような感じになります」
「あとは銘柄(を撮影してください)」
と指示をしながら平然と作業を続け
わずか10秒足らずでタイヤはパンクさせてしまった
なぜそんなことをするのか?
告発をした人物の話では
すべての不正がこのような感じではなく
動画のレクチャーはそのうちの1つに過ぎなかったようです
動画に映っていた対象の車は
タイヤの溝がなくなるくらい擦り減っていて
いつパンクしていてもおかしくなかったため
穴空けの対象に選ばれたようで
パンクの目的は工賃を請求するためだったようだ
タイヤ自体は保険が効くケースが多いため
お客様の負担はないですが
交換の作業料は発生する
1本3000円程度だが
交換するときは大体4本まとめて替えるので
1万円以上の売り上げが立ち
工賃だけで月20万~30万円は収益があがっていたらしい
月20万~30万という事は
月に20台~30台が同様の方法で
タイヤに穴をあけていたという事になる
ほかの不正事案①「保険会社への不正申請」
告発をした人物は
タイヤに穴をあけるほかにも
他の店舗ではさらに悪質な不正が行われていたという
整備士仲間に直接聞いた話で
保険金の中抜きを行っているという話だった
パンクさせたあとに安価なタイヤに付け替え
一方で保険会社には最新の高級モデルに変更したと申請するんです
そうすればその差額は丸々利益になるという内容だった
保険会社の審査は基本的に写真確認のみで
自然にパンクしたように偽装することは難しくないという
ほかの不正事案②「無資格者による検査」
車検で行われていた不正の一つに
無資格者による検査があったという
車検認定には様々な資格が必要で
普通の整備士が行うことは禁止されているが
熊本浜線店では
検査を無資格の整備士が行い
書類には有資格者の名前を代筆するのが
当たり前におこなわれていて
歯車の潤滑油などに使う
ガジェット用のオイル交換は最小限の量で済ませ
整備士の連絡用グループラインなどでは

『(オイルは)交換したていで大丈夫です』

『完全犯罪しときあす』
などのやり取りがよくあったそうだ
今年3月の九州運輸局の発表によると
熊本浜線店では記録が残っている
2020年12月から現在までで
58台についてスピードメーターの検査を行わずに
保安基準適合証を交付していたことがわかっている
不正が行われた車両の台数は
期間内だけでも1000台は下らないのはないかと明かしている
なぜ不正は行われたのか?
ではなぜこのような不正は行われたのか?
それは本社からの理不尽な
ノルマの存在が理由にあったようだ
車検台数のノルマは前年を基準に決められ
熊本浜線店では月平均170~180台と定められ
7~8人しかいない整備士で
このノルマを達成するのは絶対に不可能なことで
最低10人ほどの整備士がいないと
ノルマを達成できない状態だったらしく
ノルマ達成のために
国の認可を受けて車検の全工程を行う指定工場では
国交省に禁止されている
『前検査・後整備』も行っていて
本来は整備を行って万全の状態に仕上げてから検査を行うのを
ノルマが達成できない月は
翌月の車検をお客様に無断で前倒しして
引っかかった箇所だけを後で整備するという
ノルマのためにコストや労力を切り詰める中で
仕方なく不正を行っていたようだ
「ビックモーター」過去の不祥事
”中古車販売業界の雄”といわれる
「ビックモーター」ですが近々では
昨年2月には滋賀県のびわ湖守山店に
不正改造などを理由に近畿運輸局から事業停止処分が下され
今年2月には佐賀県の唐津店が
3月には熊本県の熊本浜線店が車検の不正などを理由に
九州運輸局から保安基準適合証の交付停止や
民間車検場の指定取り消し処分を受けました
過去にも「ビックモーター」は
不祥事が問題になっていました
【2016年12月4日に産経新聞】
ビッグモーター社内で自動車保険の契約について月間目標額が定められ、目標を下回った販売店の店長が上回った店長に現金を支払う慣行があり、会社側は各店舗の分配表を作成しつつ、店長間のやり取りを黙認していたと報じた。
これに対し、ビッグモーターの顧問弁護士や総務部の担当者は「分配について社内に規定はなく、会社と関係なく店長間で慣習的に行われていた」と事実を認めた上で、
「会社からは一切強制していないため、違法性はないと認識している。拒否できない空気があったのであれば、会社として配慮すべきだったかもしれない。」
「不満がある店長がいるくらいなら、現金授受をやめればいいと店長側に伝えた」と話した
【2017年2月26日に産経新聞】
関係者の話として2015年6月に全社員宛てへ送られた兼重社長名での社内メールに「保険選手権大会に関して」とのタイトルで
「罰金を払うということは、店長としての仕事をしてないということだ!」
「罰金を払い続けて、店長として(中略)恥ずかしくないか!」
「過去に(達成可能な)1人当たりの増収額を全店長に質問したところ、50万円なら可能というのでそれなら25万円なら間違いないねということで月額25万円を基準にスタートしました」との記載があり、
兼重社長自身が設定に関与したことを示す内容があったと報じた。同社は、産経新聞に対して20日付の文書で「『会社としての関与』という質問には、2016年12月の記事に対する取材で説明しています。不適切な罰金であると考える方もいらっしゃることも踏まえ、店長間での行為としても中止させています」と回答した
上記はウィキペディアより引用
会社としては一貫して店長たちが
勝手にやっていたことという
姿勢を取っています
今回の不祥事も同様に店長が勝手に
やったことだといって
うやむやにしてしまうかもしれません
これからの動向を見守りたいと思います
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