新しく始まった「らんまん」主人公の”槙野万太郎”は酒蔵に産まれた一粒種、豪快な祖母”槙野タキ”、病弱な母”槙野ヒサ”、しっかりものの姉の”槙野綾”、そして、元豪商だった名門酒蔵「峰屋」の人々が織りなす物語のようだ。
主人公:”槙野万太郎”は酒蔵に産まれて、家を継ぐことが決定しているようですが、本家も分家も集まってお祝いする酒蔵の「甑倒し」とはどういうお祝い事でしょう?
「甑倒し(こしきだおし)」とは
酒造り用語のひとつで、その年の最後のもろみの仕込みを終えることをいいます
「甑」とは、古くから使われている
日本酒の原料であるお米を蒸すための桶のような蒸し器のことをいいます
もろみの仕込みが終了することで
仕込みに加えるお米を蒸すための甑が不要となり
横に「倒し」て洗って片づけることから、甑倒しの名がきています
現在の「甑倒し(こしきだおし)」とは
現在の酒造では、甑ではなく連続蒸米機という機械を使って米を蒸している所にあるので
甑を倒して洗うという行為は行わないようですが
今でも、もろみ仕込みを終えた日を甑倒しと呼んでいます
「仕込み」作業が終わるという事は
酒造りの方たちにとっては本当に大事な一日のようで
1年のお酒の出来が決まると言っても過言ではありません
お米を蒸すと大量の蒸気が風にのって青空にながれていく光景は
近所に住む方々も「酒造りが始まったんだな~」と思ってもらえるようです
日本酒が作られるようになった起源
今や「SAKE」として海外の愛好者も多い日本酒ですが
お米の上品な甘みや花のような香りなど
味わいについて語ることはできても
その歴史については知らないことも多いです
せっかくなので日本酒の起源や製法、時系列に見る日本酒の歴史などについて
調べましたのでわかりやすく解説しています
世界で親しまれる日本酒、万太郎の”峰屋”も
もしかしたらこんな感じだったかもしれません
【日本酒はいつから呑まれ始めたのか?】
日本酒の起源は諸説あり
日本酒の原料となる稲作が伝わった弥生時代であるといわれる一方
縄文時代にはすでに米を使った酒が飲まれていたという説もあるようです
近畿地方や九州など
西日本でお米を使った酒について書かれた記述が見つかっており
少なくとも弥生時代の西日本では米由来の日本酒が飲まれていたようです
【日本酒は当時どのように作られていたのか?】
日本酒発祥当時、酒造りの製法の1つとして
「口噛みノ酒」に関する記述が残っています
口噛みノ酒とは、神事に携わる巫女がお米を口の中で噛み
唾液に含まれる酵素によって発酵させたお酒のこと
映画やアニメなどに登場することもあるため
知っている方も多いかもしれませんが
”君の名は。”で出てきましたね「口噛みノ酒」
コロナ過の現在、ちょっと現実的じゃない作り方ですよね
お酒の製法について書かれた神話も残っていますが
お米ではなく果実を使ったものではないかという説もあり
日本酒の歴史の長さは予想以上です
【日本酒の歴史】
日本酒発祥から近代まで
各時代において日本酒はどのように造られ、楽しまれ、広まっていったのでしょうか
時代ごとの日本酒について説明します
”奈良時代”・・・以前より一部の間で飲まれていた日本酒ですが、奈良時代に中国から米麹を使った製法が伝わり、現在のような日本酒の醸造方法が全国的に広まっていったとされています。朝廷へ献上する日本酒を管理する「造酒司(さけのつかさ)」ができたのもこの頃です。
”平安時代”・・・平安時代に入ると、より詳しく日本酒の作り方が記された文献も増えてきます。高野山などの寺社で作られる「僧坊酒」は、当時品質が良い日本酒として人気を博していました。とはいえ、この頃の日本酒はおもに神事で使われるものであり、まだまだ庶民の口に気軽に入れられるものではなかったようです。
”鎌倉時代”・・・鎌倉時代にはいわゆる「鎌倉仏教」の興隆により、日本酒を作る寺社や酒屋が増えてきます。商業の発達とも併せて、日本酒は米に匹敵する価値を持つようになっていきました。
”室町時代”・・・室町時代になると、日本酒の製法はより洗練されていきます。蒸した米と麹に水を加える工程を2回に分けた「2段仕込み」も確立され、この頃にはすでに現在の日本酒製法が出来上がっていたといえます。
”江戸時代”・・・江戸時代に入ると、酒造りは職人の手によって大量生産が可能となり、品質も向上していきます。冬に作る「寒造り」や、酒の香りを整える「温和法」、保存性を高める「火入れ法」といった技術も発達し、商人の手によって庶民にも広まっていきました。
また、「日本酒には水が大切」という現在の常識も江戸時代に知られるようになり、灘など名水のある地方に良い造り酒屋が多く生まれています。
”明治時代”・・・明治時代には自家製の日本酒を禁じ、酒に税金を課す「酒税」が定められるようになりました。醸造手法について化学的に研究する国立機関もできるなど、日本酒も近代化の道を辿るようになります。
日本酒はかつて神事に飲まれてきた
日本酒を飲む場面として
かつては豊穣祈願といった神事の際に限られていました
神社などで振る舞われる日本酒は現在でも「お神酒(みき)」といわれ
日本酒と神事は今も深くかかわっています
なので昔の酒蔵は神事に関わっっている仕事として
1つの大企業のようで職人がたくさんいて
またその人たちを世話する方たちもたくさんいて
本家・分家とわかれグループ企業のような感じだったかもしれません
そのグループ企業の後継ぎの”万太郎”が植物学者になっていくという
どんなドタバタが起こるのか?
新しい朝ドラ【らんまん】を楽しんでいきましょう!!
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